視力と骨の元となる「ビタミンA・D」

こんにちは!のうきんです!

心血管疾患シリーズ、番外編と続きましたが、

今回からは三大栄養素に次いで重要な栄養素であるビタミンについて解説していきます!

ビタミンとはラテン語で生命という意味の「Vita」と

アンモニア化合物である「Amine」に由来した言葉であり、

その名の通り、生命を維持するのに必須の有機化合物です。

ビタミンは様々な役割を持ちますが、三大栄養素の代謝の手助けもします。

そのため必要な栄養素を摂取したとしても、

ビタミンが不足していれば元も子もありません。

かといって、摂取をし過ぎれば過剰症が起こる可能性もあります。

健康的な食生活の、影の功労者であるビタミン、しっかり学んでいきましょう!

ビタミンの種類

ビタミンは全13種類ありますが、大きく2つに別れます。

脂溶性水溶性です。

その名の通り、脂(あぶら)に溶けるものと、水に溶けるものです。

これは意外と重要な違いです。

なぜなら、水に溶けるものは過剰症が起こらないからです。

水溶性ビタミンは水に溶けるため、過剰に摂取しても

腎臓で尿として排出されるため、体内に蓄積しないのです。

一方で脂溶性ビタミンは尿としては排出されず、脂肪に蓄積するため

過剰症が起こってしまいます。

しかし水溶性ビタミンはすぐに水に溶けるため、

保存ができず毎日の摂取が必要というデメリットもあります。

脂溶性ビタミンはビタミンA,D,E,Kの4つがあります。

ちなみに覚え方としては

脂溶性ビタミンはD,A,K,Eだけと覚えましょう笑。

今回はそのうちのビタミンAとDについて解説していきます!

ビタミンA

機能

ビタミンAは一言で言うと視力皮膚・粘膜に関わるビタミンです。

眼球で光刺激を感知する物質としてロドプシンというものがあり、

その生成にビタミンAが関わります。

摂取不足になると小児では角膜乾燥症から失明に至る可能性もあります。

成人でも夜盲症という、暗い所で光を感知しにくい状態に陥ります。

皮膚・粘膜に関しても乾燥、角質化が起こり、免疫が低下することで

感染症に罹りやすくなります。

一方、脂溶性ビタミンのため過剰症も存在します。

多い症状としては頭痛、脱毛、筋肉痛などです。

さらにビタミンAは肝臓に蓄積するため、過剰摂取にて肝障害を来します。

摂取量

摂取量について説明する前にビタミンAの分類について説明します。

ビタミンAは構造式の違いにより以下の3つに分かれます。

  1. レチノール
  2. レチナール
  3. レチノイン酸

さらに摂取後に体内の代謝にてビタミンAに変わる物質として

カロテノイドがあります。

カロテノイドはその中でもさらに細分化されますが、

ニンジンなどに含まれるβ-カロテンはカロテノイドの一種です。

そして摂取量については上記のレチノール換算量で考えます。

単位はRAE(retinol activity equivalent)です。

つまり体内でどれくらいのレチノールに変化するかで考える、という意味です。

必要量についての話に戻りましょう。

上述の通り、ビタミンAは欠乏症、過剰症のどちらも起こすため、

下限も上限も設けられています。

詳細には体重別に摂取量が定められていますが、概ね

男性:600〜650μgRAE/day

女性:450〜500μgRAE/day

となっています。

上限は男女問わず13500μg/dayです。

多く含まれている食品

上述の通り、ビタミンAは肝臓に蓄積するため、

レバーはビタミンAの宝庫です。

鳥や豚のレバーでは100g当たり、10000μgRAE以上の

ビタミンAが含まれています。

その他にはカロテノイドとしてニンジンなどの緑黄色野菜に多く含まれます。

一般的に過剰症が起こることはまずありませんが、

サプリメントなどを摂取している場合には注意が必要です。

ビタミンD

機能

ビタミンDはを作るビタミンです。

骨の原料となるカルシウムリンといった

ミネラルの吸収を促進します。

当然、ビタミンDの摂取が少なければ、骨が弱くなります。

子供ではくる病、成人では骨軟化症と呼ばれる病気の原因になります。

もちろん骨折のリスクも上がるため、高齢者では特に摂取が推奨されます

逆に摂取量が多すぎると、血液中のカルシウム濃度が上昇することで、

腎臓に負担をかけたり、骨ではない組織にもカルシウムが沈着してしまいます。

摂取量

ビタミンDは食事から摂取するだけでなく、実は皮膚でも生成されます。

皮膚にはビタミンDの元となる物質があり、日光が当たることで

ビタミンDに変化します。

猫が自分の体を舐めるのは、皮膚で生成されたビタミンDを舐めて摂取するため、

とも言われています。

手塚治虫の漫画「ブラックジャック」でもコインロッカーに

捨てられていた赤ん坊が日光を浴びられず、くる病になるという話がありました。

そのため、食事からどの程度のビタミンDを摂取すべきかというのは

その人の日を浴びる時間にも影響されます。

日本の摂取時基準では、全国4ヶ所の日照時間を考慮し、

8.5μg/dayが食事から摂取すべき必要量として提示されています。

上限は100μg /dayと設定されています。

多く含まれている食品

ビタミンDが多い食品はキノコ魚介類の肉や肝臓です。

アンコウの肝やキクラゲなどには特に多く含まれており、

100gで100μgほどのビタミンDが含まれています。

まとめ

いかがでしたか!?今日のまとめは以下の通りです。

  1. ビタミンAは視力・粘膜に関わる
  2. レバーや緑黄色野菜に多く含まれる
  3. ビタミンDは骨を作る
  4. 魚介類、キノコ類に多い

ビタミンA・Dは直接、心血管疾患に関わる栄養素ではありませんが、

特にビタミンDが不足すれば、骨折など高齢者では健康寿命に

大きく関わってきます。

骨折や骨粗鬆症などの既往がある方は、ぜひ意識して摂取を試みてください!

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

健康な食事で豊かな未来を!

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のうきん
ボディーメイクをきっかけに栄養の重要性に目覚めた現役脳外科医。 病院内では手術で、病院外では栄養で。 日本の健康寿命を伸ばします。