覚えにくいけど大事な栄養素「ビタミンB」(前編)

こんにちは!のうきんです!

今回からは水溶性ビタミンについて解説していきます!

ビタミンの総論についてはこちらからどうぞ!

 水溶性ビタミンはビタミンBとビタミンCのみです。

しかし、ビタミンBは多くの同族体を持っているため、

今回はビタミンB1・B2・B6・B12

4種類のビタミンB群を説明します!

何故ビタミンBだけ数字が付いているの?

それはビタミンBが見つかった歴史に由来します。

最初はビタミンBという一つの物質と思われていましたが、

後に多くの物質から成る集合体ということがわかりました。

しかし、その時には既にビタミンCなどが発見されていたため、

Bの後に数字をつけることになったんです。

ちなみに、一旦ビタミンBと考えられ数字を付けられたものの、

その後にやはりビタミンBではなかったと判断されたものもあり、

その数字は欠番となっています。

そのため、ビタミンB4やB8は存在しません。

またそれぞれ「ビタミンB +数字」とは異なる別名も存在します。

ビタミンB1(チアミン)

機能

ビタミンB群は補酵素と呼ばれ、炭水化物や脂質の代謝を

サポートする機能があります。

つまり、適切な量の栄養素を摂っていても、ビタミンB群の摂取量が

足りなければ、意味がないんですね。

特に炭水化物の代謝に深く関わっており、ビタミンB1が少なければ

炭水化物から得られるブドウ糖が枯渇してしまいます。

ブドウ糖は最も重要なエネルギー源でしたよね?

またブドウ糖しか使えない重要臓器として脳・神経があります。

そのため、ビタミンB1の欠乏により、

脚気(かっけ)ウェルニッケ・コルサコフ症候群という

脳・神経の病気を発症しやすくなります。

摂取量

ビタミンB1の存在が認知されていない時代は

上記の疾患により亡くなる方も多くいましたが、

現代では普通の食事をしていれば、まず不足しません。

ただ、極端な偏食家アルコール多飲者では

不足する場合も見られています。

また、これは水溶性ビタミン全体に言えることですが、

脂溶性ビタミンと違い、水溶性(=尿に溶ける)のため、

過剰なビタミンBは尿に溶けて排出されます。

そのため過剰症についても起こることはまずありません。

よって、ビタミンB1は下限の値のみが決まっており、

男性では1.0〜1.2mg/day以上

女性では0.8〜1.1mg /day以上

となります。

多く含まれている食品

赤みの肉、特に豚肉に多いです。

また玄米などの未精製米にも多く含まれます。

ビタミンB2(リボフラビン)

機能

ビタミンB同様、栄養素の代謝の補酵素として働きます。

ビタミンB1は糖質の代謝に特化していましたが、

ビタミンB2は三大栄養素のいずれの代謝にも関わります。

そのためビタミンB2の不足は体の発育・成長に影響すると言われます。

特に皮膚や粘膜などのターンオーバーが早い組織では

影響が出やすく、口内炎や皮膚炎、肌荒れを起こしやすくなります。

ちなみに肌荒れや口内炎と言えば、エーザイから発売されている

チョコラBBを思い出しませんか?

https://www.chocola.com/componen

チョコラBBも構成成分にしっかりとビタミンB2が入っています。

BB=Bが2個=B2と覚えましょう笑

※本当由来かどうかは不明です!!!

ターンオーバーとは?

古い組織が新しい組織に入れ替わることです。

肌や粘膜のターンオーバーはだいたい4週間ほどで起こると言われています。

摂取量

摂取量が不足すれば、上記の通り発育不全や口内炎などを起こします。

過剰症は水溶性ビタミンのため起こりません。

男性では1.1〜1.3mg/day以上

女性では0.9〜1.0mg/day以上

が必要です。

多く含まれている食品

ビタミンBは摂取されると肝臓に蓄積するため、

レバーに多く含まれます。

その他にはウナギや魚肉などに多く含まれます。

ビタミンB6(ピリドキシン)

機能

次はビタミンB6です。こちらも栄養素の代謝に関与しますが、

主にたんぱく質の代謝を助けます。

そのため、不足すると皮膚や髪などのターンオーバーの早い

たんぱく質に影響します。

また、たんぱく質は代謝されるとアミノ酸に変化しますので、

ビタミンB6が不足すれば、アミノ酸の働きも抑えられます。

アミノ酸は複数の役割がありますが、

神経伝達物質と呼ばれる、神経活動の橋渡し役でもあるので、

不足するとうつ病や脳波の異常などの神経系の異常も来します。

摂取量

基本的には欠乏症も過剰症も起こりません。

しかし、欠乏時には上記の症状が出るため、

下限量は設定されています。

また水溶性ビタミンであるものの、大量摂取を数ヶ月続けると、

神経の損傷による感覚障害を起こすとされています。

そのためビタミンB6については上限も設定されています。

男性では1.1mg/day以上、50mg/day以下

女性では1.0mg/day以上、40mg/day以下

が目安となります。

多く含まれている食品

今までのビタミンBと同様、レバーなどの肉類

魚介に多く含まれます。

他にも野菜や豆などの種実類に多いです。

ビタミンB12(コバラミン)

機能

これまでのビタミンBは色々な面で似通っていましたが、

このビタミンB12は異色です。

まず、今までのビタミンBは栄養素の代謝に関わっていましたが、

ビタミンB12には別の重要な役割があります。

それは赤血球を作ることです。

ビタミンB12がなければ、赤血球が上手く合成できず、

巨赤芽球性貧血という貧血に陥ります。

さらに、人体の設計図、とも言われるDNAの合成にも

必要となります。

また、その他のビタミンBと同様、神経へも影響しており、

脳脊髄などの中枢神経、手足などの末梢神経の障害

起こります。

摂取量

ビタミンB12は吸収のされ方も特殊です。

胃の壁細胞(へきさいぼう)と呼ばれる細胞から分泌される、

内因子と言うたんぱく質と結合することで吸収されます。

そのため、胃を切除した方は内因子が分泌されず、ビタミンB12

吸収ができず、貧血となることが多いです。

また、1食あたりに分泌される内因子の量も決まっています。

そのため、ビタミンB12は一度に摂取するよりも、

複数回に分けて摂取した方が効率的です。

過剰症は基本的にはないため、下記の通り、

下限量のみ設定されています。

男女とも2.0mg/day以上

が下限となります。

多く含まれている食品

ビタミンB12動物性食品にしか基本的には含まれていません

レバーに多いですね。

種実や植物には少なく、その他には牡蠣などの魚介類

チーズにも含まれています。

まとめ

いかがでしたか!?今日のまとめは以下の通りです。

  1. ビタミンB1は炭水化物の代謝を助ける
  2. ビタミンB2は皮膚や粘膜を健康に保つ
  3. ビタミンB6はたんぱく質の代謝を助ける
  4. ビタミンB12は赤血球の合成を行う

ビタミンBは種類がたくさんありますが、

どれも大切な役割を持っているものばかりです。

三大栄養素を適切に摂っても、ビタミンBが足りなければ

意味がありません。

必要な量を摂取できる食事を心がけましょう。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

健康な食事で豊かな未来を!

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のうきん
ボディーメイクをきっかけに栄養の重要性に目覚めた現役脳外科医。 病院内では手術で、病院外では栄養で。 日本の健康寿命を伸ばします。