心血管疾患について知ろう!

こんにちは!のうきんです!

これまで、健康的な生活に必要な基本的な栄養の知識についてお伝えしてきました!

今回からは少し角度を変えて、

健康寿命に直結する、心血管疾患について勉強しようと思います。

ちなみに心血管疾患とは、

動脈硬化により発症する臓器への酸素供給が低下する症候群です。

代表疾患は、心臓と脳への酸素供給が低下する心筋梗塞脳卒中です。

そのほかには手足への血流が低下する末梢動脈疾患があります。

心筋梗塞と脳卒中はいずれも平均寿命や健康寿命を損なう代表的な疾患であり、

食生活を良くすることで改善が期待できます

正しい食生活に加え、これらの疾患についても知ることで、

どのような食生活を送れば良いのか、より一層明確に理解することができます。

今回は食生活を改善することが、どのように予防につながるのか、一緒に見ていきましょう!

心筋梗塞、脳卒中とは!?

ご存じの方も多いかと思いますが、

まずは心筋梗塞、脳卒中についてごく簡単に説明します。

心筋梗塞は心臓自体に血液を送る冠動脈が詰まることで、

心臓に栄養が送れなくなる病気です。

また脳卒中は脳出血、脳梗塞、くも膜下出血に大別されますが、

脳に血液を送る血管の異常が原因となった病態の総称です。

脳血管障害とも呼ばれます。

そのため、いずれも心臓と脳という重要臓器の血管に問題がある状態を指します。

ではこれらの疾患は健康にどの程度影響するのでしょうか。

厚生労働省が発表した2021年の死因ランキングでは

第2位:心疾患(14.9%)、第4位:脳血管障害(7.3%)

となっており、これらが健康を損なう大きなリスクになっていることがわかると思います。

                                令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況

さらに、20〜64歳という働き盛りの年齢に限っても、男女ともに死因ランキングは

第2位:心疾患、第3位:脳血管障害

となっており、若い人であっても、死因となり得る重篤な疾患と言えるでしょう。

ちなみに死因第1位は悪性新生物(いわゆる、がん)です。

ただこの悪性新生物は全てのがんを合わせたものです。

そのため臓器別に見てみると、

心疾患、脳卒中が最も死亡に関与していると言っても過言ではありません。

では、健康寿命についてはどうでしょうか。

こちらは健康的な自立した生活が送れなくなる=「介護が必要になる疾患」を見ていきます。

厚生労働省が発表している、

要介護5(日常生活のほぼ全てに介護が必要な状態)の原因疾患の

第1位が脳卒中です。

                                       厚生労働省 国民生活基礎調査の概要

このように、心筋梗塞、脳卒中はいずれも血管の障害であり

平均寿命、健康寿命のどちらにも密接に関わる疾患と言えます。

心血管疾患が発症するまでのメカニズム

次に心血管疾患がどのようにして発症するかを考えます。

まずはこの図を見てください。

これは僕が作成した図ですが、心血管疾患を発症するまでの過程を表したものです。

不適切な食生活を継続すると、肥満につながります。

そして肥満は高血圧・脂質異常症・糖尿病のリスクであることが、

数多くの研究により、明らかになっています。

そのため、これら4つは心血管疾患の重点的予防対策対象とし、

「死の四重奏」と名付けられています(ちょっとカッコイイですね笑)。

さらにそこから発展した病態として、メタボリックシンドロームが制定されました。

メタボリックシンドロームは肥満を必須条件とし、

その他の3つの疾患のうち、2つを満たした場合に診断されます。

 厚生労働省 e-ヘルスネット様より参照 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-01-003.html

では実際に、メタボリックシンドロームはどの程度、心血管疾患に関連しているのでしょうか。

これまでの研究では、

メタボリックシンドロームと診断されている方は、そうでない方と比較し、

男性では1.9倍、女性では2.3倍、心血管疾患になりやすいとされています。

また労働省作業関連疾患総合対策研究班調査によると、

4つのリスクを1つも持っていない人と比較すると、

リスクが1つで5.1倍、2つで5.8倍、3〜4つで35.8倍

心疾患になりやすい、という報告もあります。

死の四重奏の数が多ければ多いほど心血管疾患のリスクが上がる、ということです。

そのためメタボリックシンドロームは心血管の大きなリスクと言えるでしょう。

そしてメタボリックシンドロームを構成する疾患は、血管に負担をかけて、

動脈壁に炎症を起こします。その結果起こるのが、動脈硬化です。

動脈硬化が起こると、動脈の壁が石のように硬くなり、血管が細くなります

その結果、血流が悪くなったり硬くなった部分(プラーク)が破裂し、

心血管疾患を起こします。

まとめ

いかがでしたか!?今日のまとめは以下の通りです。

  1. 心筋梗塞、脳卒中は平均寿命、健康寿命を下げる。
  2. 不適切な食事は心血管疾患の発症リスクを上げる。

今回は心血管疾患がどのような過程で発症するかを解説していきました!

健康的な食事は肥満や糖尿病を予防するだけでなく、心血管疾患の予防にもつながります。

ぜひ栄養だけでなく、病気の知識も身につけてください!

次回からは病気シリーズとして、「死の四重奏」の肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病

メタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中

のそれぞれについて解説していこうと思いますので、ぜひご一読ください!

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

健康な食事で豊かな未来を!

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のうきん
ボディーメイクをきっかけに栄養の重要性に目覚めた現役脳外科医。 病院内では手術で、病院外では栄養で。 日本の健康寿命を伸ばします。