覚えにくいけど大事な栄養素「ビタミンB」(後半)

こんにちは!のうきんです!

今回はビタミンB群の残り半分です。

前半はこちらからどうぞ。

ビタミンBは「B+(数字)」で呼ばれますが、

それぞれに個別の名前もあります。

前回は主に「B+(数字)」で呼ばれる栄養素でしたが、

今回は別名で呼ばれやすい子たちです。

そのため、聞いたことがある名前もあるかもしれませんが、

ビタミンBの一種と認識されていないことが多いです。

大事な栄養素ですので、しっかり勉強していきましょう!

ナイアシン(ビタミンB3

機能

これまでのビタミンBと同じく代謝の手助けをします。

三大栄養素からのエネルギー産生や

ホルモンの合成、細胞分裂に関わります。

また二日酔いの原因となるアセトアルデヒド

分解します。

二日酔い対策のエキスドリンクにもよく含まれています。

またビタミンB2と同様に皮膚や粘膜の保護にも関わります。

そのためナイアシンが欠乏すると、

ペラグラと呼ばれる皮膚炎を起こします。

下痢、精神症状も起こします。

アルコールの代謝にナイアシンが使われることもあり、

大量飲酒をする方で特に、ペラグラは起こりやすいです。

摂取量

ナイアシンは食事として摂取される以外に

アミノ酸の一種であるトリプトファンから合成されるため、

トリプトファンの摂取量によっても変化します。

そのため、ナイアシンの総量は

ナイアシンとトリプトファンの総量を合わせた

ナイアシン当量(mgNE)と言う単位で考えます。

上記の通り、欠乏するとペラグラを発症するため、

下限の摂取量は決まっています。

また大量投与により、下痢などが見られたとの報告もあるため、

以下の通りに上限も決まっています。

男性では11〜13mgNE/day以上、300mgNE/day以下

女性では9〜11mgNE/day以上、250mgNE/day以下

多く含まれている食品

これまで同様、魚や肉、レバーに多く含まれます。

またトリプトファンが多く含まれる卵や乳製品も有効です。

パントテン酸(ビタミンB5

機能

CoA(コエンザイムA)という多くのエネルギー代謝に関わる補酵素の

構成成分の一つであり、

炭水化物、脂質の代謝を助けます。

そのため、不足すれば成長障害などを起こします。

しかし、パントテン酸は多くの食品に含まれており、

欠乏症を起こすことは滅多にありません。

実は「パントテン酸」と言う名前も、ギリシャ語で

「どこにでもある酸」という、

ちょっと残念な名前がつけられているくらいです笑。

摂取量

基本的に欠乏、過剰とも起こりにくいため、

一般的な生活をしていれば、問題はありません。

国民健康・栄養調査の結果を受けて、

男性女性とも概ね5mg/dayが目安量となっています。

多く含まれる食品

上記の通り、動物性、植物性を問わず、多くの食品に含まれています。

その中でも特に多いのはやはりレバーですね。

ビオチン(ビタミンB7

機能

次にビオチンです。

ビオチンもその他のビタミンB群と同じく、

三大栄養素の代謝をサポートします。

また抗炎症物質を生成することで、

アレルギーを抑えることもできます。

ビオチン欠乏では皮膚炎や嘔気などがみられます。

摂取量

ビオチンは腸内細菌からも生成されるため、欠乏することは少ないです。

男女とも50mg/dayが目安量です。

多く含まれる食品

今まで通り、レバーに多く含まれます。

ピーナッツやアーモンドのような種実類にも多いです。

葉酸(ビタミンB9)

機能

ビタミンB群、最後の1つは葉酸(ようさん)です。

葉酸はビタミンB12と役割が似ています

1つはDNAの合成です。

細胞が分裂して、新たな細胞を作るためには設計図となる

DNAの合成が必要です。

葉酸はDNAを合成するための補酵素として働きます。

妊婦は葉酸を摂らないといけない、と聞いたことがありませんか?

胎児はどんどん細胞分裂を繰り返して大きくなりますので、

DNAの合成が盛んです。

そのため、お母さんは葉酸を多く摂取し、

胎児に供給してあげる必要があるんですね。

また赤血球の合成にも関わるため、

葉酸不足はビタミンB12と同様、貧血の原因となります。

他にも動脈硬化を促進すると言われる、

ホモシステインの値を高くすることもわかってきました。

つまり、葉酸不足は動脈硬化を助長させる、と言うことですね。

このように、葉酸はビタミンB群の中でも特に重要な役割を持っており、

間接的にでもメタボシックシンドロームに関わる栄養素なのです。

摂取量

葉酸は細胞分裂や動脈硬化などの重要な要素に影響するため、

以下の通り摂取量の目安が設定されています。

男性・女性とも240μg/day以上、900μg/day以下

ただし、妊娠の予定がある、既に妊娠している方は400μg/day以上

摂取が望まれます。

多く含まれる食品

名前の通り、葉っぱを持つ野菜や果物に多く含まれます。

またその他のビタミンB同様、レバーにも多く含まれます。

その他には小魚にも多く含まれます。

まとめ

いかがでしたか!?今日のまとめは以下の通りです。

  1. ナイアシンはエネルギー産生やアルコールの分解に有効。
  2. パントテン酸は糖質、脂質の代謝に関わる。
  3. ビオチンは三大栄養素の代謝、アレルギーの予防を行う。
  4. 葉酸はDNAの合成に不可欠!貧血にも影響する。

今回でビタミンB群は終了です。

全部で8つもありましたが、最後までお付き合いいただき、

ありがとうございました!

直接生活習慣病に関わるものは少ないですが、

ビタミンBの多くが三大栄養素の補助に関わるため、

いずれも重要なものです。

またビタミンB12や葉酸など、生活習慣病以外においても

重要な栄養素があります。

今回の知識が皆様の健康の一助となれば幸いです。

次回はビタミンCについて掘り下げていきますので

楽しみにしててください!

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

健康な食事で豊かな未来を!

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のうきん
ボディーメイクをきっかけに栄養の重要性に目覚めた現役脳外科医。 病院内では手術で、病院外では栄養で。 日本の健康寿命を伸ばします。